障害や病気をもって就職活動をする場合には、まず次のようなステップを考える必要があります。障害者手帳があるかないか、一般雇用か障害者雇用か、障害や病気を開示するかしないか、この三つの組みあわせによって、就活の仕方が異なってきます。また、就業条件をあらかじめ確認できる範囲も変わってきますので、必ずこの問題をまず考えましょう。
障害者雇用と一般雇用の違いは概ね下記の通りです。
事項 | 一般雇用 | 障害者雇用 |
---|---|---|
応募資格 | 特になし | 障害者手帳(身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳のいずれか)の所持が必要 |
障害の開示 | 任意 | 開示が必要 |
配慮 | 配慮を得るには障害を開示し、雇用者と交渉が必要 | 配慮を前提としている場合が多く得やすい |
業務・昇進 | 一般と同等 | 一般雇用よりも業務や昇進が 限定されている場合が多い |
採用されやすさ | 就職希望先によっては競争が激しい | 現在の状況では比較的採用されやすい |
人を雇用する企業や公的団体には必ず就業規則があり、これは労働者に周知しなければなりません。就業規則には、必ず記載しなければならない絶対的必要記載事項、定めがある場合には記載しなければならない相対的必要記載事項、使用者が任意に記載することができる任意的記載事項があります。絶対的必要記載事項では、労働時間に関する事項に、就業時間、休憩時間、休日・休暇などの項目があります。相対的必要記載事項には、安全・衛生、職業訓練、災害補償及び業務外の負傷や病気の扶助などの事項があります。
これらの事項は、就活時点で確認できるものもありますから、企業の資料などでチェックしましょう。
勤務場所、就業時間、休日、年次有給休暇、特別休暇、賃金体系、昇級、昇進、福利厚生、残業、休憩、休職、安全衛生、出張、転勤、異動、研修制度、退職手当、災害補償、傷病扶助、賞罰、等々
※これらの多くは公開されています
ワークライフバランス制度、離職率、残業実態、人事方式、障がい者支援、客観的評価、ハラスメント防止、安全・衛生環境
※公開されていないものが多い
合理的配慮(担当者に尋ねる)、支援制度(担当者に尋ねる)
※公開されていないものが多い
企業の細かな就業条件や労働環境は公開されている情報ではわからないことが多いです。当該企業のHPや、民間紹介機関のサイト(サーナ、atGP、クロバーナビなど)で調べてもよくわからなければ、どこかのタイミングで採用担当者に直接尋ねることも考えましょう。そのためには、自分が抱えている問題を知らせることも必要です。自分の問題をどのタイミングで誰に開示するかということは、とても重要な問題で、みなが悩むことです。
企業が障害者をどのように雇用するのかを知ることも、働く条件を推測する上で有効です。企業向けに障害者雇用のコンサルティングを行っている会社のサイトには、企業でありうる配慮や雇用の仕組みについて詳しく書かれていますので、参考にしてみてください。